高音で喉が苦しいときの発声練習|言葉を使うと声が楽になった理由
高音の発声練習をしていると、音が高くなるにつれて喉が苦しくなることがあります。
私もボイトレで5トーンの発声をしていると、高い音に近づくほど、
「ちょっと喉が苦しいな」
と感じることがありました。
ところが、レッスン48で先生から教えてもらった、ちょっと変わった発声練習を試してみると、意外なことが起こりました。
使った言葉は、
「あんこ」
「いちご」
「うるし」
「えがお」
「おこめ」
です。
「これが発声練習になるの?」
と思いました。
ところが、この3文字の言葉を使って5トーンの発声をすると、高い音になっても、いつものような喉の苦しさが出にくかったのです。
今回のレッスンで教えてもらったのは、単純に「高い声を出す方法」ではありません。
音程を追いかけるのではなく、言葉に意識を置いて発声する。
今回は、この不思議な発声練習を実際にやってみた感想と、なぜ自分には楽に感じられたのかをまとめてみます。
高音になると喉が苦しくなる
現在、私は発声を一から見直す「発声再構築中」です。
以前のように最初から声を張り上げるのではなく、現在は70%程度の力で発声することを意識しています。
このところのレッスンでは、まず低いところから声を出し、喉を温めながら徐々に声を出していく練習を続けています。
今回も、まずは「あいうえお」の発声からスタート。
その後、5トーンの発声を行いました。
このあたりは、特に問題なく終了。
ところが、今回のレッスンでは、ここから新しい練習が始まりました。
「3文字の言葉」を使って発声する
先生から、
「3文字の言葉を使って発声してみましょう。」
と教えてもらいました。
まずは「あいうえお」で始まる3文字の言葉を一つずつ考えます。
私はとっさに、
- あんこ
- いちご
- うるし
- えがお
- おこめ
を選びました。
かなり普通の言葉ですが、これを発声練習に使います。
まずは音程をつけません。
先生のあとについて、
「あんこ」
「いちご」
「うるし」
「えがお」
「おこめ」
と発音します。
すると先生から、
「おっ、いいね。」
と褒めてもらいました。
3文字の言葉で「頭の母音」をそろえる
ここで先生から、この練習の意味を教えてもらいました。
普段の発声練習では、
「あ」
「い」
「う」
「え」
「お」
と、一文字ずつ発声します。
ところが、それぞれの母音では口の形が違います。
そのため、声の出し方にもばらつきが出やすい。
そこで、今度は言葉にしてみます。
「あんこ」
「いちご」
「うるし」
「えがお」
「おこめ」
こうすると、それぞれの言葉の最初の母音を、同じような感覚で発声する練習になるということでした。
私には、この発想がちょっと面白く感じられました。
発声練習なのに、やっていることは「言葉をしゃべる」ことに近いからです。
「あんこ」を5トーンで発声してみる
次は、この3文字の言葉を5トーンに乗せていきます。
例えば、
「あんこ」
「あんこ」
「あんこ」
「あんこ」
……
最後は「あー」と伸ばします。
何回か繰り返します。
やってみると、不思議です。
発声練習をしている感じがあまりありません。
「あんこ」と言っているだけのような感覚なのに、音程は少しずつ上がっていきます。
そして、私が驚いたのはここでした。
高い音になっても、喉がそれほど苦しくならない。
いつもの5トーンなら、高い音に近づくにつれて、
「ちょっと苦しくなってきたな」
と感じることがあります。
ところが、「あんこ」と言葉を意識していると、その感覚がかなり違いました。
なぜ言葉を使うと楽に感じたのか?
ここで先生から、この練習の「からくり」を教えてもらいました。
単音で発声練習をしていると、どうしても、
「次は高い音だ」
「音程を上げなければ」
というように、音程を追いかける意識になりやすい。
すると、支えも上に上がってしまい、苦しくなってくる。
一方、3文字の言葉を使うと、
「あんこ」
という言葉そのものに意識が向きます。
そのため、音程が上がっても支えが上に上がりにくい。
先生からは、そんな仕組みだと教えてもらいました。
なるほど。
言われてみると、確かに思い当たるところがあります。
「音程」ではなく「言葉」を追いかける
これまで私は、発声練習というと、
「正しい音程を出す」
ことをかなり意識していたように思います。
5トーンなら、
「次はこの音」
「次はもっと高い」
と、音程を追いかけていく。
ところが、「あんこ」と言われると、意識が少し変わります。
「あんこ」という一つの言葉を発音する。
その結果として、音程も上がっていく。
この違いが、自分の中では大きかったのだと思います。
つまり、
音程を目的にするのではなく、言葉を目的にして、その中に音程がある。
そんな感じです。
2文字目、3文字目を発声したつもりで試してみる
次は、2文字目、3文字目を発声したつもりで、同じように5トーンを行いました。
ここは少し違和感があります。
やはり「あんこ」と普通に言うときとは違うので、ちょっと難しい。
そして、高いほうに行くと喉が苦しくなる感覚もありました。
「あれ?」
と思いました。
同じ5トーンなのに、意識の置き方で感覚が変わる。
これはかなり興味深い体験でした。
「言葉」を使うと発声練習らしくなくなる
今回、一番面白かったのは、
発声練習をしている感覚が薄くなること。
普通の発声練習なら、
「声を出している」
という感じがあります。
ところが、「あんこ」と言っていると、
「言葉をしゃべっている」
感覚に近くなります。
それでも音程はしっかり動いている。
この「発声練習っぽくなさ」が、逆に良いのかもしれません。
高音を出そう、高い声を出そう、と意識しすぎると、私の場合は力が入ってしまう。
ところが、言葉に集中すると、音程への意識が少し薄れる。
結果として、高音でも楽に感じられたのだと思います。
高音を出そうとすると、つい頑張ってしまう
高音になると、
「高い声を出さなければ」
と思ってしまいます。
私の場合も、これまで何度もそうでした。
高い音を出そうとする。
↓
力が入る。
↓
喉が苦しくなる。
↓
さらに頑張る。
という悪循環になりやすい。
もちろん、高音発声にはさまざまな要素があり、今回の練習だけで高音の問題が解決するわけではありません。高音の練習では、力みを減らすことや発声フォームなども重要だとされています。
私の場合、今回の練習で気づいたのは、
「高音を出そう」と意識しすぎること自体が、自分の発声に影響しているかもしれない
ということでした。
実際に試すなら、まずは簡単な言葉から
今回の練習を自宅でも試すなら、まずは簡単な3文字の言葉を使ってみるのがよさそうです。
例えば、
- あんこ
- いちご
- うるし
- えがお
- おこめ
など。
ポイントは、最初から難しいことをやらないこと。
まずは普通に言葉を発音します。
そのあとで、ゆっくり音程をつけてみる。
さらに5トーンなど、少しずつ音程を動かしてみる。
私自身も、今回のレッスンでは「発声練習」というより「言葉を言う」感覚から始めました。
「高音を出す」より「言葉を言う」
今回のレッスンで、自分なりに一番印象に残ったのは、
「高音を出そう」としないこと。
もちろん、実際には高い音を出しているのですが、意識としては、
「高音を出す」
ではなく、
「あんこ」
と言う。
この違いです。
高音が苦手な私にとっては、この意識の置き換えがかなり新鮮でした。
高音になると、
「頑張らなければ」
と思ってしまいます。
そんなときに、あえて音程ではなく言葉に意識を向ける。
これなら、今後の練習でも試してみる価値がありそうです。
発声練習は「声」だけを練習するものではない?
今回の3文字発声をやってみて、発声練習に対する考え方も少し変わりました。
これまでは、
「声をどう出すか」
ばかり考えていました。
でも、歌になると、当然そこには言葉があります。
「あ」「い」「う」「え」「お」という母音も、実際の歌では単独で出てくるわけではありません。
子音と母音が組み合わさって、言葉になります。
一般的なボイストレーニングでも、母音、子音、歌詞というように段階を踏んで発声を練習する考え方があります。
今回の「3文字発声」は、その意味でも、単音の発声から言葉へ移っていく途中の練習として面白いと感じました。
まとめ|高音で苦しいときは「音程」から少し意識を外してみる
今回のレッスン48で試したのは、
「3文字の言葉を使った発声練習」
でした。
「あんこ」
「いちご」
「うるし」
「えがお」
「おこめ」
という言葉を使い、5トーンに乗せて発声します。
私の場合、単音で音程を追いかけると高いところで喉が苦しくなりました。
ところが、言葉を意識して発声すると、高い音でも比較的安定して声を出せました。
先生から教えてもらったのは、
音程を追いかける意識になると支えが上に上がりやすい。
言葉に意識を置くと、音程が上がっても支えが上に上がりにくい。
という考え方です。
もちろん、これは私がレッスンで教わり、自分の体で感じたことです。
高音の出し方には人それぞれ違いがあります。
ただ、もし高音になると、
「もっと頑張らなければ」
と力んでしまうなら、一度、
「高音を出す」のではなく「言葉を言う」
という意識に変えてみるのも面白いかもしれません。
私もまだ発声を再構築している途中です。
「あんこ」と言うだけで高音が完全に楽になるわけではありませんが、少なくとも今回のレッスンでは、これまでとは違う発声の感覚を体験できました。
発声練習は、まだまだ奥が深そうです。
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