歌が大人っぽくなりすぎる原因とは?「渋い歌い方」を直す方法
歌っていると、
「なんだか大人っぽく聴こえる」
「もっと明るく歌いたいのに、なぜか渋くなる」
「爽やかな曲なのに、哀愁が出てしまう」
そんなことはないでしょうか。
実は私自身、ボイトレのレッスンでまさにこの指摘を受けました。
課題曲はサザンオールスターズの『希望の轍』。
自分では元気よく、勢いをつけて歌っているつもりでした。
ところが先生から、
「大人っぽく歌いすぎじゃない?」
との指摘。
さらに、
「希望や明るさ、疾走感がほしい」
「少年っぽさがほしい」
と言われました。
自分では「元気に歌えている」と思っていたので、これは意外でした。
しかも原因を探っていくと、私が無意識に入れていたビブラートや、伸ばした音の歌い回しにも原因があることが分かりました。
今回は、私自身のボイトレ体験をもとに、歌が大人っぽくなりすぎる原因と、渋い歌い方を少し抑える方法について考えてみます。
「大人っぽい歌い方」が悪いわけではない
最初に書いておきたいのは、大人っぽい歌い方そのものが悪いわけではないということです。
バラードや落ち着いた曲なら、深みのある声や哀愁のある歌い方が魅力になります。
問題は、
曲が求めている雰囲気と、自分の歌い方が合っているかどうか。
今回の『希望の轍』の場合、先生が求めていたのは、
- 希望
- 明るさ
- 疾走感
- 少年っぽさ
でした。
ところが、私の歌には、
- 大人っぽさ
- 渋さ
- 哀愁
が混ざっていた。
だから「大人っぽく歌いすぎ」という指摘になったわけです。
つまり、直すべきなのは「大人っぽい声」そのものではなく、曲に対して必要以上に大人っぽい表現を足してしまうことなのだと思います。
原因① 伸ばす音にビブラートを入れすぎる
今回、先生から具体的に指摘されたのがビブラートでした。
私は、伸ばす音があると、かなり自然にビブラートを入れていました。
以前はビブラートができなかったので、できるようになったことがうれしかった。
そのため、いつの間にか「伸ばすところではビブラートを入れる」というクセになっていたようです。
ところが『希望の轍』では、それが大人っぽさや哀愁につながっていました。
そこで、
ビブラートを一度やめて、ストレートに歌う。
という方法を試しました。
すると、かなり印象が変わりました。
大人っぽさが減り、少しロックっぽくなったのです。
ビブラートを外すだけでも印象は変わる
ビブラートは歌を豊かに聴かせる技術ですが、いつでも入れればいいわけではありません。
曲によっては、声をまっすぐ伸ばしたほうが、
- 明るい
- 若々しい
- 爽やか
- 力強い
- ロックっぽい
という印象になります。
ビブラートがクセになっている人は、一度全部外して歌ってみると、自分の歌い方を客観的に確認できます。
詳しくはこちらの記事にもまとめています。
→「ビブラートを入れない歌い方とは?あえてストレートに歌う効果を解説」
原因② 伸ばした音を「後から押す」
もう一つ先生から指摘されたのが、音の伸ばし方でした。
『希望の轍』のサビで、私は伸ばす音を最後までまっすぐ伸ばすのではなく、後から少し押してくるような歌い方をしていました。
自分では気づいていませんでした。
先生に指摘されて初めて、
「確かに、ちょっと渋いな」
と感じました。
このような歌い回しは、場合によっては味になります。
ただ、明るく前向きな曲では、少し重たく聴こえることがあります。
そこで、伸ばす音を余計に動かさず、
最初に出した声を、そのまままっすぐ伸ばす。
これを意識してみました。
すると、声の印象が軽くなりました。
原因③ 「うまく歌おう」として表現を足しすぎる
これは今回、自分自身に対して感じたことです。
歌を練習していると、
「ここはビブラートを入れよう」
「ここは少しこぶしを効かせよう」
「ここは感情を込めよう」
と、いろいろな表現を足したくなります。
特に、ある程度歌えるようになってくると、単純に歌うことが物足りなくなってきます。
でも、表現を足していけば、必ず歌が良くなるとは限りません。
今回の私の場合は、むしろ逆でした。
足しすぎていたものを減らしたほうが、曲に合う歌になった。
これが大きな発見でした。
原因④ 「渋い声」が自分のクセになっている
先生から「渋い声を抑えて」と言われたとき、
「それはクセだから困ったな」
と思いました。
なぜなら、わざと渋く歌っているわけではないからです。
普通に歌っているつもりなのに、自然とそうなっている。
こういう「無意識のクセ」は、自分だけでは気づきにくいものです。
だからこそ、先生から客観的に聴いてもらうことの意味があります。
自分では、
「元気よく歌っている」
と思っていても、聴いている人には、
「ちょっと哀愁がある」
と聞こえる。
この違いに気づけただけでも、今回のレッスンには大きな意味がありました。
「少年っぽい声」を出すために何を変える?
先生からは、「少年っぽさがほしい」と言われました。
最初は、
「少年っぽい声ってどうやって出すんだ?」
と思いました。
以前教えてもらった「アニメのヒーローのような声」を思い出しましたが、今回求められていたのは、それをそのまま真似することではありません。
ポイントは、渋さや哀愁を足さないことでした。
つまり、
「少年っぽい声を作る」
というより、
「大人っぽく聴こえる要素を減らす」
という考え方です。
これは自分にとって、とても分かりやすい方法でした。
「明るく歌おう」とするだけでは変わらない
では、単純に「明るく歌おう」と意識すればいいのでしょうか。
私は、それだけでは難しいと感じました。
「明るく、明るく……」
と考えているだけでは、いつもの歌い方に戻ってしまいます。
そこで今回は、
- ビブラートを減らす
- 伸ばす音をまっすぐ歌う
- 後から押すような歌い回しをしない
- 渋い声を意識的に抑える
- 少年っぽさをイメージする
というように、具体的な行動に置き換えました。
「明るく歌う」という抽象的な指示よりも、こちらのほうが実践しやすいと感じました。
「渋い歌い方」を直す練習方法
今回の経験から、私が実際に試している方法をまとめてみます。
① まず普通に歌って録音する
最初は何も考えず、いつものように歌います。
そして録音を聴いてみます。
「ここ、なんだか渋いな」
「ここでビブラートが入っているな」
と、自分のクセを探します。
② ビブラートを全部外してみる
次に、伸ばす音のビブラートを全部外してみます。
上手に歌おうとせず、
声をまっすぐ伸ばす。
これだけを意識します。
③ 表現を足さずに歌う
こぶしやビブラートなどを一度忘れて、できるだけシンプルに歌います。
「ちょっと物足りないかな?」
くらいでちょうどいい場合があります。
④ 元の歌い方と比較する
最初の録音と聴き比べます。
すると、
「こっちは大人っぽい」
「こっちは明るい」
「こっちはロックっぽい」
など、違いが分かりやすくなります。
⑤ 最後に必要な表現だけ戻す
全部なくしてしまう必要はありません。
曲に必要なところだけ、少しずつビブラートなどの表現を戻します。
最終的には、
「入れられるけれど、入れない」
という状態を目指したいと思っています。
歌は「足す」だけでなく「引く」ことも大切
今回のレッスンで感じたのは、歌の練習というと、つい「できることを増やす」方向に考えてしまうということです。
高い声を出す。
大きな声を出す。
ビブラートを覚える。
表現を増やす。
もちろん、これも大切です。
でも、今回の私は逆でした。
ビブラートを外す。
渋い歌い回しをやめる。
余計な哀愁を足さない。
それだけで、『希望の轍』に合う歌い方に近づきました。
歌が大人っぽくなりすぎると感じたときは、「もっと若々しく歌わなければ」と考えるより、
「大人っぽく聴こえている原因を一つずつ減らしてみる」
ほうが分かりやすいかもしれません。
まとめ
今回の『希望の轍』のレッスンでは、
「大人っぽく歌いすぎ」
という意外な指摘を受けました。
自分では元気よく歌っているつもりでも、無意識に、
- ビブラートを入れる
- 伸ばした音を後から押す
- 渋い声を出す
- 哀愁のある歌い回しをする
といったクセが出ていたようです。
それらを一度外してみると、声の印象はかなり変わりました。
今回、一番勉強になったのは、
歌の表現は「足す」だけではなく、「引く」ことでも作れる。
ということです。
ビブラートができるようになったからといって、すべての曲で使う必要はありません。
渋い声が出せるからといって、いつも渋く歌う必要もありません。
曲が求めているものに合わせて、使う技術と使わない技術を選ぶ。
これからは、そんな視点でも歌を練習していきたいと思います。
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