ボイトレ記録49|「声を前に出す」をやりすぎた?『希望の轍』がブツブツになる原因
2026年8月16日、49回目のボイトレレッスン。
レッスンはいつものように、前半が発声練習、後半が課題曲の練習です。
現在は発声再構築中。最近は、発声そのものだけでなく、「言葉を整える」ことも意識して練習しています。
今回の前半では、前回から始まった「3文字発声」をさらに掘り下げました。
そして後半の『希望の轍』では、思わぬ問題が発生。
これまで教えてもらった、
- 声を前に出す
- 言葉をはっきりさせる
- アップテンポだから勢いを出す
- あえて雑さも残す
ということを意識して歌った結果、
「なんかブツブツしている」
という状態になってしまいました。
どうやら私は、いくつかのポイントを意識するあまり、歌全体の流れを見失っていたようです。
前半:3文字発声をさらに掘り下げる
まずは「あいうえお」から
最初はいつもの「あいうえお」の発声です。ダブルの「あ~あ~」。
ところが、今回は「あいうえお」を長く続けることなく、すぐに前回から始まった3文字発声に移りました。
どうやら、私の「あいうえお」は、それぞれの声に少しばらつきがあるようです。
今回は、そのばらつきを整えていくことになりました。
今回の3文字は「あんこ・いちご・うなぎ・えがお・おこめ」
今回使った言葉は、
- あんこ
- いちご
- うなぎ
- えがお
- おこめ
です。
前回は「うるし」でしたが、今回は「うなぎ」に変更。
これらを、アナウンサーのように、できるだけはっきり発音していきます。
すると、自分でも分かるくらい、普段の「あいうえお」の発声よりも言葉の頭がそろっている感じがあります。
先生からも、
「このしゃべり言葉の発声ポイントが自然なポイントなので、これを覚えておいて、単音の発声でも使ってほしい」
という指摘。
ここが今回の大きなポイントでした。
「しゃべるときの自然な声」を発声に利用する
普段、私たちは言葉を話すときに、いちいち、
「今から『あ』を出します」
「次は『い』です」
などとは考えません。
普通に話しています。
そのときの声の出し方には、自然なポジションがある。
今回の練習では、そのしゃべり言葉の自然な発声ポイントを、単音の「あいうえお」にも利用するということでした。
これは、かなり分かりやすいです。
「あいうえお」の発声になると、どうしても、
「きれいな声を出そう」
と意識してしまいます。
その結果、普段のしゃべり声とは違うことをしてしまう。
そこで、
まず言葉で自然な発声を確認する。
そして、
その感覚を単音に戻してみる。
この順番で練習するわけです。
3文字発声を5トーンへ
続いて、3文字発声を5トーンに乗せます。
「あんこ」
「あんこ」
「あんこ」
「あんこ」
……と繰り返し、最後は「あー」と伸ばします。
これを何度も繰り返します。
ところが、今回は別の意味で大変でした。
とにかく口が忙しい。
すべての言葉を終えるころには、頬がひきつるくらい口の動きがついていきません。
「これは発声練習なのか?」
と思うくらいです。
でも、やっているうちに分かってきました。
これは発声だけでなく、滑舌の練習にもかなりなっている。
特に3文字を音程に乗せながら繰り返すので、口が音程についていくことだけでなく、言葉そのものを正確に処理する必要があります。
なかなか忙しい練習です。
「うなぎ」「おこめ」は奥に引っ込みやすい
さらに先生から、
「うなぎ」「おこめ」は少し奥に引っ込みやすいので注意するように、
とのこと。
確かに、「う」や「お」は、私の場合、声が少し奥へ行きやすい感じがあります。
せっかく「言葉を使って自然なポジションを覚える」という練習をしているのに、言葉によってポジションが変わってしまっては意味がありません。
「あんこ」なら出てくる。
「いちご」も出てくる。
でも「うなぎ」「おこめ」になると奥へ行く。
こうした違いを一つずつ確認していきます。
ロングトーンで「あいうえお」をそろえる
続いてロングトーン。
「あ」
「え」
「い」
「お」
「う」
を同じ音程で伸ばし続けます。
ここでもポイントは、どの言葉も均一に発声すること。
一つだけ声が強くなったり、奥に引っ込んだりしないようにします。
正直、この練習はかなり地味です。
同じ音を伸ばしているだけなので、やっているとだんだん退屈になってきます。
「まだやるのか……」
という気持ちにもなります。
でも、こういう地味なところを整えるのも、今の「発声再構築」には必要なのでしょう。
退屈でも、イライラしても、
「これも耐えなきゃ」
というところです。
後半:課題曲『希望の轍』
「声ははっきり出ているけど、ブツブツしますね」
後半は、引き続き『希望の轍』。
まずは、
「通してみましょう」
ということで歌います。
歌い終わると先生から、
「声ははっきり出てるけど、ぶつぶつしますね」
との指摘。
「あれ?」
声は出ている。
でも、歌としては何かがおかしい。
今回の問題は、そこでした。
「声を前に出す」を意識しすぎた
原因を考えてみると、思い当たることがあります。
最近のレッスンでは、
「声を前に出す」
ことをかなり意識していました。
前歯の上あたりに声を当てるようなイメージで歌っています。
さらに前回は、
アップテンポの曲では「雑さ」も味になる
ということも教えてもらいました。
そのため、
「勢いを出そう」
「言葉のアタックを強くしよう」
「言葉をしっかり前に出そう」
と意識して歌っていました。
ところが、それをずっと続けた結果、
全部の言葉が強くなってしまった。
これが今回の問題でした。
言葉がカクカクして、文章ではなくなっている
先生からは、
「声を前に出す意識は大切だけど、やり過ぎじゃない?」
という指摘。
さらに、
「言葉、言葉がカクカクして、ブツブツ切れて文章ではなくなってますよ」
とのこと。
これはかなり分かりやすい指摘でした。
確かに、自分の歌を思い返してみると、
一つの言葉を出す。
↓
次の言葉をまた強く出す。
↓
その次も強く出す。
という感じになっています。
言葉一つひとつは、はっきりしています。
でも、その言葉同士がつながっていない。
だから、文章として聴くと、ブツブツしてしまう。
全部の言葉にアクセントをつけてしまった
先生から、
「一つ一つの言葉にアクセントをかけすぎかな。全部が全部それだと流れが悪くなるよ」
と指摘されました。
これも、その通りです。
歌詞を伝えようとして、全部の言葉を大切にしすぎた。
声を前に出そうとして、全部の言葉を強くしすぎた。
アップテンポだから勢いを出そうとして、全部をアタックさせてしまった。
結果として、
全部が目立って、逆に何も流れなくなった。
ということだと思います。
「強くするところ」と「流すところ」を作る
先生からは、例えば歌詞の中でも、
強くするところと弱くするところを作るように教えてもらいました。
すべての言葉を同じ強さで出すのではなく、
ここは強くする。
ここは少し弱くする。
という差を作る。
そうすると、歌全体に流れが生まれます。
これは前回の「丁寧と雑」の話にもつながります。
全部を丁寧にするのではない。
全部を雑にするのでもない。
全部を強くするのでもない。
強弱を作る。
結局、歌には「バランス」が必要なのだと思います。
サビでも同じ問題が発生
続いてサビ。
ここでも同じ指摘でした。
「なんかブツブツしてるな。」
自分でも、だんだん分かってきました。
一つ一つの言葉を強く出そうとしすぎて、歌の横方向の流れがなくなっている。
そこで先生から、さらに具体的なアドバイスがありました。
言葉で切らず、息の流れを維持する
先生から教えてもらったのは、
「軸に流れている息を維持しながら、細くだしたり、太く出したりして音程をとってほしい」
ということ。
そして、
「言葉で切らないで」
との指摘。
これを聞いて、今回の問題がかなり明確になりました。
私は、
「言葉を一つずつ出す」
ことに意識が行きすぎていました。
そうではなく、
歌全体を流しておいて、その中で声の太さや強さを変えていく。
というイメージです。
「太く・細く」「強く・弱く」で歌を揺らす
先生から示してもらったイメージでは、
ある言葉は、
太く、緩やか、弱く。
次の言葉は、
細く、速く、強く。
また次は、
太く、緩やか、弱く。
というように変化をつけます。
例えば、
♪遠く →(太く、緩やか、弱い)
♪遠く →(細く、速く、強い)
♪離れゆく →(太く、緩やか、弱い)
♪エ →(細く、速く、強い)
♪ボシ →(太く、緩やか、弱い)
♪ライン →(細く、速く、強い)
同じような歌い方をずっと続けるのではなく、声の太さやスピード、強弱を変化させる。
最後に先生から、
「揺さぶるような歌い方がいいよ」
という指導を受けました。
なるほど。
歌全体を一方向にまっすぐ進めるのではなく、ところどころで揺らす。
そうすると、歌に動きが出てきます。
自分も「揺れながら」歌っていた。でも違った
実は、自分でも歌いながら「揺れ」を感じていました。
だから、
「自分も揺さぶるように歌っているじゃないか」
と思っていました。
ところが、先生が求めている「揺れ」とは違う。
私の場合は、言葉一つひとつが強くなって、その結果としてカクカクしている。
先生が求めているのは、息の流れを保ったまま、声の太さや強さを変化させること。
同じ「揺れる」でも、流れがまったく違います。
ここは実際に指摘されてみないと分からないところでした。
細部にこだわって、全体の流れを見失っていた
今回、一番反省したのはここです。
私は、
「声を前に出す」
「言葉をはっきりする」
「アタックを強くする」
という細かいポイントばかりに意識が集中していました。
その一方で、
「曲全体がどう流れているか」
を見ていなかった。
一つ一つの言葉をどう歌うかに集中しすぎて、歌全体をどう聴かせるかを忘れていたのです。
これは、今までのレッスンを振り返っても、かなり大きな課題だと思いました。
一つの技術を覚えると、それを意識する。
すると、今度はそれが強くなりすぎる。
そこで先生から修正される。
そして、また別のバランスを探す。
ボイトレを続けていると、こういうことが何度も起こります。
「言われるたびに歌い方が変わる」のは仕方ない?
最近、レッスンで指摘されるたびに、自分の歌い方が変わっています。
「声を前に」
と言われれば前に出す。
「言葉を大切に」
と言われれば言葉を強くする。
「雑さも味」
と言われれば雑にしてみる。
そして今度は、
「ブツブツしている」
と言われる。
正直、
「じゃあ、どうすればいいんだ?」
と思うこともあります。
でも、よく考えてみれば、これは仕方のないことなのかもしれません。
まだ自分の中に「この曲はこう歌う」という完成形がないからです。
先生に指摘されるたびに、少しずつ修正している。
その段階なのでしょう。
でも、結局は「歌い込み」が足りない
今回、もう一つ反省したのは、
歌い込みが足りない
ということです。
細かいテクニックを一つずつ教えてもらう。
それを意識して歌う。
でも、そのことで全体の流れがおかしくなる。
これは、まだ体に馴染んでいないからなのだと思います。
頭では分かっている。
でも、歌になると全部を同時にはコントロールできない。
だからこそ、繰り返し歌って、
「ここは強く」
「ここは流す」
「ここは細く」
「ここは太く」
という感覚を体に覚えさせていく必要があります。
まだまだ歌い込みが足りません。
今回のレッスンで分かったこと
今回のレッスンでは、前半と後半で共通するテーマがありました。
それは、
「一つ一つを整えるだけでは、全体は整わない」
ということです。
前半の発声では、
「あいうえお」の一音一音をそろえる。
3文字の言葉を使って、自然な発声ポイントを覚える。
そして、その感覚を単音に戻す。
一つ一つを整えていきます。
一方、後半の歌では、逆に一つ一つの言葉を意識しすぎた結果、全体がブツブツになってしまいました。
つまり、
細部を整えることと、全体を流すこと。
この両方が必要なのです。
今回の私は、細部に意識が行きすぎました。
次回は、一つ一つの言葉を意識しながらも、その奥にある歌全体の流れを忘れないようにしたいと思います。
『希望の轍』も、そろそろ「先生に言われたことを一つずつ実行する段階」から、
「自分で全体をコントロールして歌う段階」
に進まなければならないのかもしれません。
まだまだ課題はありますが、少しずつ自分の歌に近づいているような気もします。
次回は、もう少し「流れ」を意識して歌ってみたいと思います。
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