レイニーブルー レッスン13回目|Cメロの設計図はコード進行にあった

 発表会を目前に控えたこの日、いよいよCメロの仕上げに入った。

全体としての完成度は上がっており、大きな修正点は見られなかったが――**「安易な構成」**にメスが入る。

Cメロは楽曲のクライマックス。だからこそ、勢いに任せて力押しすればいい、そう思っていたのが甘かった。

先生はまず、**Cメロ直前のサビを「抑え目に」**と指示。そして、Cメロ冒頭からしっかりと盛り上げを構築し、さらにその中で強弱の波をつける必要があると語った。

とどめは、「コード進行に、すでに歌い方が書かれている」という指摘。

Cメロの構造は明快だった。
前半はコードが上昇し、ベースは半音ずつ下降する――
これを2度繰り返す進行は、まさに**「盛り上げて、盛り下げて」**を意味していたのだ。

自分では感じるままに歌っていたつもりだったが、楽曲の内側にすでに指針はあった。
それをどう読み取り、どう声に乗せていくか。

技術と感覚、設計と感情。
その交差点に、表現の本質があると教わった気がする。

本番まであとわずか。
ラストピースが、ようやくはまり始めた。

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